リート(REIT)のバブル・リスク

リート(REIT)は、Real Estate Investment Trustの略で、簡単に言うと不動産投資による受益権(稼いだ利益を享受できる権利)を小口化した、誰でも売買できる流通性のある(上場)権利証券です。
最近、不動産の価格が高止まりし、賃料収益が伸び悩んでいるところ、日銀が国債、ETF(exchange traded fund:株価指数連動型投資信託受益証券)と同様に市場から買入れをしていることから、価格が高止まりしています。

不動産物件のREITによる小口化・証券化による資金の流動化は、都心を中心に進められてきましたが、最近では地方都市にも飛び火し収益性の低下の中で案件が増加しバブル化してきています。

不動産バブル状況の中で、さらに日銀がREITを買支えている構造があります。今後、日銀のREITの買支えが減少または停止するとともに、東京オリンピックの終了、引続く建築需要の減少が不動産価格を押し下げることにより、不動産のバブルがはじけ、REIT価格は大幅に値下りする可能性もないとは言えません。
今後数年は、金融緩和の継続による日銀の買支えでREITは大幅な値下がりはしないと思いますが、段階的であるにせよ金融緩和の縮小を契機にREIT価格が値下りするリスクがあることは十分に認識しておくべきでしょう。