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金持ち父さん、貧乏父さん(本)の概要
今回は、お金に関するベストセラー「金持ち父さん、貧乏父さん」を紹介します。
〇作者ロバートキヨサキ
アメリカの投資家、実業家。日系4世。『金持ち父さん』シリーズの著者。1997年に著書『金持ち父さん 貧乏父さん』を執筆。『金持ち父さん 貧乏父さん』は全世界で51カ国語に翻訳され、105カ国で紹介され、『金持ち父さん』シリーズは、日本で累計350万部、全世界では累計3000万部を突破している。
〇評価
会社員として投資に縁がない人には、お金や投資、経済、資本の論理という面で、その考え方を指南してもらえる初心者向けの本である。なお、物語形式の翻訳本でページ数が多いため読みにくい感じがするのが欠点。
〇著作に至る著者の動機
お金に関する知性(ファイナンシャル・インテリジェンス)を高めることに役立てるために本を書いたとのこと。「自分のお金を自分の頭に投資し、資産の獲得の仕方について学び、始めは小額からスタートする。スタートは早ければ早いほど良い。」とコメントしている。
〇金持ち父さんの6つの教え
1お金持ちはお金のためには働かない
2お金の流れの読み方を学ぶ
3自分のビジネスを持つ
4会社を使って節税する
5金持ちはお金を作り出す
6お金のためではなく学ぶために働く
〇6つの教えの解説
1お金持ちはお金のためには働かない
お金に働いてもらう
・お金が無くなる恐怖とお金を増やしたい欲望をコントロールする方法を学ぶ
・自分自身を変える
・お金に関する情報、知識を手に入れる
・チャンスはすぐ行ってしまうのですぐ決断する
2お金の流れの読み方を学ぶ
会計学を学ぶ(資産・負債、収入・支出の理屈を学ぶ、数字が何を意味しているかを考える、キャッシュ(現金収入)を生む構造を学ぶ、お金を管理する方法を学ぶ)
やるべきことは、
・支出の中でいちばん大きい社会保険料・税金(所得税・固定資産税等)を減らす(社会保険料・税金をとる政府のために働くのを止める)
・専門家等の頭のいい人を活用する
・キャッシュ(現金収入)を生む資産を持つ
持ち家はキャッシュを生まない、つまり良くない資産なので止める(投資機会という時間を失う、投資のための資本が減る、投資に関する教育の機会を失う、銀行に払う利子のために働くということを止める)
・ビジネスをするか、投資家になる(他人を儲けさせるために雇われるのを止める)
・月に1度、財務諸表(収入と支出の流れや資産、負債の状況)を把握する
3自分のビジネスを持つ
支出を低く抑える、負債を減らす、目減りしない資産を持つ
・基本は起業→投資の順番ですすめる
・物件は1年、遅くとも7年以内に売却する、贅沢品は資産から生み出した収入で買う
4会社を使って節税する
法律、経済、市場構造、資本主義を知る
・税金が少ない会社という形をつくる
・①稼ぐ→②お金を使う(経費控除ができる)→③税金を払う、勤め人は③と②が逆、つまり、この経済構造、市場構造を知る
・お金がお金をつくる資本主義を理解する、金融がお金を稼ぐ構造を理解する
5金持ちはお金を作り出す
チャンスを生かすためにはリスクを負う必要があるがリスクに対する恐怖を力と知恵に変える
・お金に関する知性(ファイナンシャル・インテリジェンス)を高める・・・会計力、投資力、
市場の理解力、法律力
時間をかけてチャンスに気付く、知らないことが最大のリスクである
・お金に関する知性(ファイナンシャル・インテリジェンス)が必要であるものの、複雑で、理解できないものには手を出さない、なお安全策は儲けが少ない
・チャンスを生かすために余裕資金を準備する
・失敗がなぜ悪い事ではないのか(失敗を乗り越え学ぶことによりその経験が血と肉となり将来の成功に結び付く)
・許容範囲を超える損失が出る時にすることは、損失に耐えることではなく、損切りを行い損失を最小限に抑える
・勤労所得を不労所得、ポートフォリオ所得に変える
6お金のためではなく学ぶために働く
セールス、マーケティング、人の管理、システムの管理は普遍的で重要である 但し、それ以外の専門性は持つことは強みでもあるが弱みでもある(その専門に頼りきる、専門市場が狭い)
お金の流れを勉強した後、キャッシュフローを生む資産を持つため行動するに当たり注意が必要である。
〇前提
1お金を失う恐怖を克服する
2臆病にならない
3お金を稼ぐことを優先する、後回しにしない、怠けない、
4投資(自分、外部)を優先する
5無知に気づき専門家、専門書等で知識を補う
〇スタートを切るための10のステップ(行動指針・哲学)
1強い目的意識を持つ(精神力)
2いろいろ学んで、方法を選択する(選択する力)
3良い情報を交換し合える友人を慎重に選ぶ(協力の力)
4新しいやり方を次々と仕入れる(速習の力)
5自分自身をコントロールする(時制の力)
6ブローカーにたっぷり払う(忠告の力)
7元手は必ず取り戻す(+αをタダで手に入れる力)
8贅沢品は資産で稼いだお金で買う(焦点を絞る力)
9投資のヒーローから学ぶ(神話の力)
10教えよ、さらば与えられん(与えることの力)
〇行動のヒント
今までを振り返り、上手く行っていないことを止め、新しくやることを探す。
自分でやりたいことを成し遂げた成功者を見つける
セミナー、講座に参加する
投資先の情報をくまなく調べる
投資の買付申し込みをたくさんする、経験する(買付申込だけで制約とはならない)
資産をバーゲンで買う、買い方で利益は決まる(時期、機会が重要)
適切なルート、場所で買う
時には買手を見つけてから売り手を探す
取引の規模を大きくする
過去、歴史から学ぶ
まず行動する。
以上
個人型確定拠出年金(IDECO)制度拡充の概要
個人の財産形成制度として、個人型確定拠出年金(IDECO)制度が拡充されました。
財産形成制度は、従前より、大きな企業において確定拠出年金制度(DC)として導入されていましたが、中小企業にはあまり浸透しておらず、広く従業員の財産形成を促進するため、個人型確定拠出年金(IDECO)制度が導入されました。2017年1月より、制度をより浸透させるため、その拡充が行われました。なお、この制度は、企業における制度ではなく、従業員個人が加入を希望すれば、任意に加入できる制度です。
順番に説明をしていきます。
〇メリット
・加入者個人が運用の方法を決めることができる。
・社員の自立意識が高まる。
・経済・投資等への関心が高まる。
・運用が好調であれば年金額が増える。
・年金資産が加入者ごとに管理されるので、各加入者が常に残高を把握できる。
・一定の要件を満たせば、離転職に際して年金資産の持ち運びが可能。
・企業にとっては、掛金の追加負担が生じないので、将来の掛金負担の予測が容易。
・掛金を算定するための複雑な数理計算が不要。
・拠出限度額の範囲で掛金が税控除される。
〇デメリット
・投資リスクを各加入者が負うことになる。
・老後に受け取る年金額が事前に確定しない。
・運用するために一定の知識が必要。
・運用が不調であれば年金額が減る。
・原則60歳までに途中引き出しができない。(退職金の代わりにはならない)
・勤続期間が3年未満の場合には、資産の持ち運びができない可能性がある。
・加入者ごとに記録の管理が必要になるため、管理コストが高くなりやすい。
〇拠出限度額
2017年1月より、新規対象者に拠出限度額/月として
専業主婦が23,000円 (年間276,000円)
DC(確定拠出型)のみある会社員が20,000円 (年間240,000円)
DB(確定給付型)のある会社員、公務員等が12,000円 (年間144,000円)
が追加されます。
〇課税
拠出時、運用時、受取時にそれぞれ所得税、住民税の優遇措置の対象が拡大されます。とくに、拠出時に拠出限度額以内なら全額を損金に計上できるので拠出額の数十%の所得税・住民税が減少することになります。
個人型確定拠出年金は、個人の財布(手取り)から拠出するので、ちょっとハードルが上がるかも知れませんが、メリットがある制度です。
但し、商品が多様にある金融機関を決定し、かつ運用商品の中から自分の投資方針に沿った商品を選択しなければなりません。DC(確定拠出)年金では、会社が選んだ金融機関(会社の取引先が多い)の商品しか選べず、選択肢が限られていましたが、個人型確定拠出年金IDECOでは、自分で金融機関を選べるので、選択肢は広がりました。その分いろいろな金融機関があるのでどこを選択するか迷うこともあるようです。インターネット、雑誌等で評判の良い会社を選択し、積極運用、安定運用、バランス運用等投資方針を決定の上、自分に合った商品を選択することになります。
では、実際に商品を選ぶにはどうしたらよいのでしょうか、
まず個人型確定拠出年金(IDECO)の商品を用意している証券会社を選び、その証券会社で用意されている商品から自分が判断して投資する仕組みとなっています。証券会社毎に商品の数、内容が違いますので、選択肢の多い証券会社を選ぶ必要があります。また、用意された商品から自分の投資目的(積極運用、安定運用、バランス運用)に応じて以下のポイントも考慮し投資商品を選択します。
投資目的以外の選択ポイント
・コスト :販売手数料、信託報酬、信託報酬留保額(解約時)がコストになります。できるだけ手数料が安い、信託報酬が安い、信託報酬留保額がないものを選択します。ETFは手数料が無料または、手数料が安いです。主にインターネット証券が取扱っています。信託報酬は毎年かかるので、運用期間×信託報酬率の比率がコストになります。
・税金 :投資信託の節税のメリットについては拠出時、運用時、分配時にどの程度非課税になるか計算します。各人の所得に従って、節税額は異なりますので、個別の計算が必要です。
・資産規模:少なくとも50億円以上、できれば100億円以上が望ましいと思います。資産規模が小さいと、分散できない、投資効率が落ちる等の弊害があります。
・運用期間:信頼性があるのは、5年~10年以上の運用期間の実績のある商品です。好況、不況のサイクルを経た結果、結果を出している商品を選ぶことができます。
・リスク許容度と投資分散:どれだけ損が許容できるかにより商品選択を行います。リスク許容度の測定、投資分散を自分で、または専門家に相談して、投資を行います。株式は、一般的に20%~25%、場合によっては40%~50%以上価格が変動するリスクがありますので、それを考慮する必要があります。
詳しくは、以前のブログ「投資信託の投資のポイント①」を参照して下さい。
個人型確定拠出年金の概要を表にすると、次の通りです。
厚生労働省HPより抜粋し編集
項目 | 厚生年金 | 企業型確定拠出年金DC | 個人型確定拠出年金IDECO | |
加入者 | 会社員 | DB(確定給付),DC(確定拠出型)のある会社員 | DC(確定拠出型)のない会社員、自営業者、学生 | |
拠出
|
会社50%(福利費)
個人50%(給与天引) |
会社100%
(福利費) |
個人100%(手取から拠出) | |
税
|
拠出時 | 非課税 | 非課税 | 非課税 |
運用時 | 非課税 | 非課税 | 非課税 | |
年金受取時 | 雑所得課税 | 雑所得課税(60歳以降) | 雑所得課税(60歳以降) | |
一時金受取時 | - | 退職所得課税 | 退職所得課税 | |
運用主体 | 国 | 個人(投資商品指定) | 個人(運用機関指定) | |
運用機関の選択 | 国 | 会社 | 個人 | |
拠出限度額/月 | 標準報酬月額×一定率で国が定める | DC(確定拠出型)のある会社員 55,000円
DB(確定給付型)のある会社員 27,500円 |
DC(確定拠出型)のない会社員 23,000円
自営業者、学生 68,000円 |
|
同上(2017年1月以降の新規対象者) | 専業主婦 23,000円
DC(確定拠出型)のみある会社員 20,000円 DB(確定給付型)のある会社員、公務員等2,000円 |
仕組み預金の構造
仕組み預金とは、ある「仕組み」により、金利が高めの預金のことを言います。
「仕組み」とは、デリバティブ(金融派生商品)を利用し、金利や満期、償還金、通貨などを投資家のニーズに合わせて設定した「仕組み」です。
仕組みは、預金、債券、円貨・外貨である通貨等で利用されます。以前のブログで「仕組み債の構造」という題名で債券について記載しましたので、今回は、預金の仕組みについておさらいします。詳しい構造は公表されていませんが、デリバティブとして考えられる仕組みを説明したいと思います。
「仕組み」で利用されるデリバティブとは、オプションやスワップなどのことを言います。オプションとは、外貨、金利などをあらかじめ約束した価格で、一週間後、一か月後、一年後など将来に売ったり買ったりできる権利です。スワップとは、例えば変動金利と固定金利を交換する金利スワップ、ドル等の外貨を円と交換する通貨スワップなどです。
デリバティブには条件が付与されます。
金利では「金利が一定の幅にある限り」、通貨では「為替相場が一定の幅にある限り」のような条件です。そのような条件のもとに金利が通常より高いなどの仕組みが組成されます。一定の幅を超えた、下限を下回った場合には、金利が出ない・減少する、元金が減少する、元金の通貨が変わり円建てでの元本割れが生じるなど、損失が発生する構造です。
デリバティブには、買手にオプション料等のコストがかかりますが、売手にはオプション料などが収入になります。そこで、通貨、金利などの相場が落ち着いて変動がなければ、売手には手数料が自動的に入ってきますので、これが売手の利益となります。例えば、平たく言うと、金利が通常よりも高い仕組み預金は、預金者がデリバティブの売手になっており、オプション料などが金利に上乗せされている預金です。ところが、相場が激しく変動するとデリバティブの条件の下限値を下回り、為替等の損失が発生する預金でもあります。損失は預金者がかぶる仕組みなのです。仕組み預金に手を出すと、デリバティブのような難解なものに手を出していないつもりでも実際には手を出しまうことになります。
一方、買手は、金利、通貨などの相場が落ち着いて変動がなければ、コストだけ負担して損をしてしまいます。そのようなデリバティブの買手は、どのような人なのでしょうか。デリバティブの買手は、大手の取引業者、金融機関、ファンドなどですが、初めから損をするような取引はしません。彼らは、いろいろなデリバティブの売手にもなって買手としてのコストを相殺【ヘッジ】しかつ利益を出すように行動しています。つまり損はしないような行動をしている訳です。
また、相場が激しく変動した場合は、デリバティブの売手である預金者は損をしますが、買手は買う権利を放棄して支払オプシュン料を諦めれば、それ以上の損は発生しません。大きな損失は被らない仕組みとなっています。
仕組み預金は、相場が安定していれば、現状からみて損失が発生する可能性が低く、金利が通常よりも高いなどメリットのあるように見える預金ですが、リスクが大きい預金であり、預ける人は、時には損失を被る可能性があることを認識した上で預け、相場の変動の兆候があった時に直ぐに処分する態勢を取っておく必要があります。外貨切換オプション預金は1ヵ月物からありますので、短期間の商品なら処分の問題は心配する必要がないかもしれません。
また、仕組み預金には、一般的な投資のリスク(①信用リスク②価格変動リスク③為替変動リスク④流動性リスク)がありますが、特に④の流動性リスクに注意が必要です。
仕組み預金は、クローズドエンド型の商品として基本的に中途解約することができない商品も多く、すぐ処分できないものがあるので注意が必要です。投資に際しては解約の是非、その価格について販売会社に十分確認することをお勧めします。
最後に、仕組み預金における注意すべきポイントを、以下の通り説明します。
<円・外貨切換オプシュン預金>
〇円から外貨へ交換する為替ポジションには特約判定日、満期の2つの時点が損益に影響します。
1つ目は、円が外貨に変わるかどうかを判定する特約(仕組み・デリバティブ)の判定日です。この時点で、一定の条件の為替の変動であれば、円の元本は円でそのまま継続します。しかし、例えば、大きな円高・外貨安になる等その範囲を超えてしまうと、その時点で、円の元本が外貨に変わり、安い外貨の元本になります。つまり含み損になります。外貨を円に交換すると損は実現損になり、円に交換する為替手数料も損になります。
2つ目は、満期日です。満期日に外貨が支払われる場合には、満期日の為替レートは、満期になって払戻しを受ける時点の実勢為替レートでもなく、特約判定日の為替レートでもありません。特約(仕組み・デリバティブ)を締結した時の実勢為替レートを基にした不利なレートとなります。よって、特約判定日(満期日の2営業日前)における償還される外貨が円安外貨高になっても円建て換算する為替差益は享受できません。また、償還される外貨が円高外貨安になれば、円建て換算すると含み損になり仕組み預金の保有期間では、ほぼ為替では損することはあっても得することはない商品です。つまり、為替リスクを預金者が負担する預金です。
〇また、適用金利は、通常の預金金利とデリバティブのオプション料(利益)に分かれます。契約上は、2つの収益が合算されており内訳として分離されていませんが、概ね、適用金利から契約時点の定期預金金利を差引いたものがオプション料と考えてよいでしょう。
<外貨・円切換オプシュン預金>
外貨を預ける、外貨・円切換オプシュン預金の基本構造は、円・外貨切換オプシュン預金と同じで、通貨が異なるだけです。
<満期延長預金>
将来適用金利が高くなる場合は、払戻しとなり、高い金利で預金を継続することができません。また、将来適用金利が安くなる場合は、期間延長され、安い金利が適用され続けるため他の投資などで運用できず機会損失が発生します。この場合は、最大10年間資金が拘束されることになります。外貨建て長期保険の仕組みに似ているものの、外貨建て長期保険は解約返戻金が保険料総額より少なく損失が発生しても途中解約できるので、保険より拘束性が強い商品です。
結論
仕組み預金は、円・外貨切換オプシュン預金の場合に相場が安定している時に金利が高いというメリットを考慮すると同時に、相場が急変して円安外貨高になった時に為替損失を被る、為替差益を得ることができない等のデメリットを覚悟すれば、運用の1つの選択肢になると思います。
同様に、満期延長預金も、余裕資金があり、低金利が長く続くと予想できるなら、金利が高いというメリットを考慮すると同時に、途中解約できない、運用期間が長く資金を寝かせることになる等のデメリットを覚悟すれば、運用の1つの選択肢になると思います。
このデメリットを受けいれられない人は、仕組み預金には手を付けないようにしましょう。
は、仕組み預金は、具体的にはどのようなものでしょうか。
現在、日本において販売されている仕組み預金の1例は、以下の通りです。 | |
商品の1例 | 円・外貨切換オプシュン預金 |
商品概要
|
1ヵ月満期の円で預け入れの後、受取元本通貨が円または外貨となる |
為替コスト無料で外貨普通口座への入金となる | |
一定期間、外貨のまま運用を推奨する | |
運用における金種は、預入 円、満期受取 円又は外貨、金利受取 円 | |
基本は円貨預金のため、預金保険制度の対象である | |
特約判定日(満期日の2営業日前)の為替レートが、契約時の特約レートより円安(外貨高)であれば元本を安くなった円で受取る(元本維持)
契約時の特約レートより円高(外貨安)であれば安くなった外貨で受取る(元本割れ) |
|
その際、元本はあらかじめ定められた為替レート(契約時の特約レート)にて円貨に転換される、実勢為替レートと比べて不利なレートとなる | |
リスク | 受取元本通貨は、通貨安の外貨となるリスク(損失リスク) |
原則、途中解約不可 | |
対象者
|
円を持ち、円、外貨での運用先を探している |
なるべく高い金利で預けたい | |
円貨が外貨に変わっても良い | |
元本割れのリスクを許容できる | |
途中解約不可でもよい | |
現状の円為替レートで外貨に交換する前提で将来、為替レートが外貨安(円高)に進んで外貨を受取っても、外貨高(円高)に進んで円で受けとっても満足できる | |
デリバティブ・プレミアム(金利)源泉 | 預金者が、為替プットオプションの売り手となってもらうオプション料が源泉となる |
預入が外貨、満期受取が外貨又は円、金利受取が外貨の商品は、外貨を預け入れる外貨・円切換オプシュン預金(上記の逆)があります。類似商品もあります。外銀では、最低投資額が高いものの、金利、期間、為替等の選択肢が多い仕組み預金があります。
また、預入通貨が円で金利受取、満期受取全てが円の仕組み預金の1例は、以下のとおりです。
商品の1例 | 満期延長預金 |
商品概要
|
元本保証 |
預入期間が最短で1年、最長で10年 | |
満期日が延長 | |
預入後1年ごとに最大9回見直し | |
運用における金種は、預入 円、満期受取 円、金利受取 円 | |
預金保険制度の対象 | |
フラット型・預入期間中の金利が一定、
ステップアップ型・満期が延長される度に金利が上がる |
|
毎年金利が見直される | |
期間延長の決定日に
現適用市場金利・年<将来適用予想金利・年の場合、満期で払戻しされる、高い金利で預金を継続することができない 現適用市場金利・年>将来適用予想金利・年の場合、満期が期間延長される、安い金利が適用され続ける 他の投資などで運用できず機会損失が発生する |
|
リスク
|
最長で10年拘束されるリスク(流動性が落ち資金が引き出せないリスク) |
原則、途中解約不可 | |
金利上昇時に、上昇後の金利で運用できないリスク(機会損失) | |
※調整金
相続や差押え等、この預金が第三者に承継、満期前に解約された場合、中途解約(例外)時と同様に調整金が発生する |
|
対象者
|
円を持ち、円での運用先を探している |
なるべく高い金利で預けたい | |
円の元本を維持したい | |
預入期間が最大10年に変わっても良い | |
途中解約不可でもよい | |
将来、金利が上がっても現状の金利で満足できる | |
デリバティブ・プレミアム(金利)源泉 | 預金者が、金利オプションの売り手となってもらうオプション料が源泉となる |
投資信託の投資のポイント① (千葉・市川で活動のファイナンシャルプランナーのブログ)
投資信託とは、
株式、債券等の投資商品をファンドマネージャーがファンドの積極・安全・バランス等の投資スタイル(方針)に従い運用する投資商品です。国内投資信託(投信)は5000本以上あります。
投資信託の種類
国内・海外別(国内発行型、海外発行型)
内容別(債券型、株式型、混合型、REIT,コモデティ、インフラ等)
地域別(国内型、先進国型、新興国型、混合型等)
投資スタイル別(積極投資型、安全投資型、バランス投資型等)
対象商品別(個別商品展開型、商品指数目標型)
運用対象別(元本・配当積立運用型、元本のみ運用型・配当分配型、配当・元本取崩型)
投資方式
積立投資型、一括投資型
節税タイプ別運用方式
確定拠出年金(ⅮC)での節税タイプ投資運用
個人型確定拠出年金(IDECO)での節税タイプ投資運用
日本型少額投資非課税口座(NISA)での節税タイプ投資運用
節税の内容は、下記の「投資信託の選択」の税金の欄を参照
(注意点)
・DCは会社が選択した運用機関毎に取扱商品が異なりますので、あまり良い商品がない場合もあります。運用機関を変えることはできないので限定された商品の中で、リスク許容度に応じて商品を選ぶしかありません。
・IDECOは、会社指定の運用機関があれば、その運用機関の商品を、なければ自分で運用機関を探すことができますので、選択肢、つまり商品の多い運用機関を探し出し、リスク許容度に応じて最善の商品を選ぶようにすることができます。
投資信託の手数料等のコスト
販売手数料、信託報酬、信託報酬留保額
(留意点)
・販売手数料がないノーロードの投資信託があります。
また、ETFは手数料が無料または、手数料が安いです。主にインターネット証券が取扱っています。
・信託報酬は毎年かかるので、運用期間×信託報酬率の比率がコストになります。
・手数料等に加えてリスク許容度、投資分散を加味しながら運用するのが良いでしょう。
資産配分の選択
・リスクに応じて積極運用型、安定運用型、バランス運用型のどれかを選ぶことになります。
投資信託の選択
・コスト:できるだけ手数料が安い、信託報酬が安い、信託報酬留保額がないものを選択します。
税金:投資信託の節税
・DC,IDECOは、拠出時に所得控除、運用時に非課税、分配時に課税となります。
拠出時に所得控除で課税されていないため、分配額が全額所得として扱われます。分配時に一時金でもらう場合には、退職所得に対する課税で、退職所得控除が適用されかつ1/2の所得控除ができるので、運用益がなくとも節税でき、通常の投資と比べ税金上は圧倒的に有利です。また、分配時に年金でもらう場合には、雑所得に対する課税で、公的年金等控除となり、一定額の控除を受けることが出来ます。損失が出た場合、拠出時に所得控除で課税されていないため、損失を控除、通算できません。そこで一時金又は年金のどちらが得かを考慮し、選択することになります。
・NISAは、拠出時に所得控除できない、運用時に非課税、分配時に非課税となります。
(下罫線の箇所がDC,IDECOとの違いです。)分配時に値上り益がある場合、その利益(源泉分離所得)に対しては非課税となります。
・節税型となっていない通常の投資信託は、
値上り益がある場合には、それに対し20%の源泉分離課税が行われるほか、値下り損失がある場合には、確定申告により損失を株式等申告分離課税の所得の中で損益通算、3年間の繰越控除ができる仕組みがあります。
資産規模
・少なくとも50億円以上、できれば100億円以上が望ましいと思います。
・資産規模が小さいと、分散できない、投資効率が落ちる等の弊害があります。
運用期間
・信頼性があるのは、5年~10年以上の運用期間の実績のある商品です。
・好況、不況のサイクルを経た結果、結果を出している商品を選ぶことができます。
リスク許容度と投資分散
・どれだけ損が許容できるかにより商品選択を行います。
・リスク許容度の測定、投資分散を自分で、または専門家に相談して、投資を行います。
・人工知能(AI)によりリスク許容度を判定してもらい、そのリスク許容度の応じ商品提案をもとに投資分散することもできます。
・株式は、一般的に20%~25%、場合によっては40%~50%以上価格が変動するリスクがありますので、それを考慮する必要があります。
・なお、ETFについては、投資未経験者に長期の資産形成を促すため、今年から東京証券取引所が個人の長期投資に適したETFを公表するようです。(2017年2月17日日経新聞)
預金・債券での運用上のポイント
1.円貨預金の運用
円貨での運用は、低金利で厳しいですが、その中でも多少有利な運用を目指し、金利優遇キャンペーン、優位の金利を選好して、活用するのが良いでしょう。
・国内銀行の金利優遇
退職金、誕生日、株式保有者の金利優遇等のキャンペーンがある銀行があります。銀行金利の比較サイトを参照する、新聞・雑誌の投資関係記事を見る、銀行のHPを見る等して探すことができます。
・外国銀行の金利優遇
日本人には近づき難い外国銀行の中には日本の顧客と取引を希望している銀行があり、時々金利優遇キャンペーンをする場合があります。富裕層オンリーの外国銀行もありますが、そうでない外国銀行もあります。新聞・雑誌の投資関係記事を見る、銀行のHPを見る等して探すことができます。
・ネット銀行の金利
ネット銀行は有店舗の銀行と較べると金利ベースは高いです。銀行のHPを見る等して探すことができます。
2.円貨債券での運用
円貨での運用は、預金と同様に低金利で厳しいですが、その中でも多少有利な運用を目指していくのが良いでしょう。債券は、証券会社毎に新発債、既発債ともに取扱債券が異なるため、複数の証券会社の営業マンに依頼しておくと、時に良い商品を紹介してもらえることがあります。取扱債券の種類・数が多い大手の証券会社がお薦めです。ネット証券でもたまにありますが、数多い中から自分で見つけ出す必要があります。
なお、金利が高くても、デリバテイブを活用した仕組み債には注意が必要ですので、その仕組みを十分理解して投資するようにして下さい。また、期間の長い長期債券、信用格付けの低い債券については、金利が高いからと言って、リスクも高いので、慎重に投資して下さい。
3.外貨預金の運用
・外貨預金は、為替との関係で金利を見なければなりません。外貨は、為替レートの先行きを考慮して、交換手数料の安い銀行で外貨を購入した後、外貨預金として保有しながら金利の高い銀行に移して運用していくことが良いのではないかと思います。日本では、国内銀行間で自由に外貨移動・送金ができます。但し、送金手数料、中継銀行手数料、受取銀行手数料等の手数料が3000円~10,000円と高いので、ある程度のボリュームがないとコストがかかりすぎることになります。また、手続きが煩雑でもあります。
USドルは、金融緩和の終了により数度にわたり金利を上げていく計画がありますので、利上げが落ち着くまで3ヶ月程度の短期で運用していくのが良いでしょう。それでも、銀行によっては年率1%以上の金利が付くものがあります。
豪ドル、南アフリカランド等の高金利通貨は、経済状況によって、為替、金利の振れが大きいので、金利より主に為替動向を見て運用するのが良いのではないかと思います。
為替に自信のある人は、FXで運用するのも良いかもしれません。
4.外貨債券の運用
外貨債券での運用は、外貨預金と同様な方法で、運用を目指していくのが良いでしょう。
また、外貨債券は、円貨債券と同様に、複数の証券会社の営業マンに依頼しておく、取扱債券の種類・数が多い大手の証券会社がお薦めなのは、同じです。
但し、2016年1月から、債券税制が改正され、外貨債券を証券会社の特定口座に入れた段階の外貨と円貨の為替レートを取得時レートとされますので、注意が必要です。
例えば、1月1日に1USドルを120円で取得し、2月1日に為替が1USドル110円の時、1USドルの債券を購入(実質コストは120円)し、翌年7月1日に1USドル115円の時、債券を売却、又は償還した場合、
①当年の雑所得
売却価格110円-売却コスト120円=売却損失10円(雑損失)
②翌年の特定口座における売却損益(譲渡所得)は
売却価格115円-売却コスト110円=売却利益5円(所得税等の源泉課税対象)
という処理となり、損失と利益をネットすると5円の損失にも拘わらず、売却益5円に対して20%1円が源泉徴収されてしまうことになります。
また、雑所得は、年金、先物取引など他の雑所得内でしか損益通算できず、加えて翌年の売却年度の損失ではなく当年の売却損失になるので、損益通算の対象時期が早めに来てしまい、余裕期間が短くなってしまう訳です。加えて、この損失は3年間に亘る損失の繰越控除はできません。
債券を買った時点で1UDドルの外貨を売却したとみなすので、このような不都合な結果となります。
一方、1月1日に1USドルを110円で取得し、2月1日に為替が1USドル120円の時、1USドルの債券を購入(実質コストは110円)し、翌年7月1日に1USドル115円の時、債券を売却、又は償還した場合、
①当年の雑所得
売却価格120円-売却コスト110円=売却利益10円(雑所得)
雑所得が20万円までなら確定申告及び納税しなくてよいことになっています。
②翌年の特定口座における売却損益(譲渡所得)は
売却価格115円-売却コスト120円=売却損失5円
という処理となり、損失と利益をネットすると5円の利益にも拘わらず、売却損失5円に対しては源泉徴収がされないだけでなく、利息の配当等と損益通算、損失の繰越控除できるため、利息にたいしての税金が減少することになります。債券を買った時点で1UDドルの外貨を売却したとみなすので、このようなおかしな結果となります。
このような仕組みを利用して、円安の時に外貨で外貨債券を購入し、円高の時に購入額で売却または元本償還できれば、そのまま外貨で代金を外貨預金に移すと、売却時点の損失が実現し、売却時の利息の収入、その年の株式等の譲渡所得と損益通算、3年間の損失の繰越控除でき、それらの源泉税の還付を受けることができます。一方、キャッシュフローで見ると、外貨預金→外貨債券→外貨預金のように外貨建金額が変わらず、外貨の利息、源泉税の還付(円)がプラスとなってきます。
なお、外貨MMFも債券と同じ扱いなので、外貨⇔外貨MMF、外貨MMF⇔外貨債券の交換も売買扱いとなり、損益が発生しますので注意が必要です。
この事例は、外貨で外貨債券を購入する場合で発生しますが、円貨で外貨債券を購入する場合は外貨の購入時点と債券の購入時点が同じなので、この様な事例は発生しません。但し、円貨で外貨債券を購入する際に為替が有利な外貨を購入できるとは限らないため、為替が有利な時期、外貨債券が買える時期がうまくかみ合わなければ、有利な運用ができないことになります。
以上の通り、外貨債券の購入には為替と債券ともに有利な時期があるかどうかが重要なポイントとなります。