国際送金(Fintech)

国際送金は、馴染みがない人が多いかもしれませんが、今後Fintechにより高速化・効率化・低価格化が急激に進む可能性が出てきました。

国際送金は、以下の点で、料金が高い、時間がかかる、煩雑である等の問題がありました。

 項目  内容
料金 送金時:送金手数料 4000円~5000円
中継銀行:リフティングチャージ 無料、又は有料(数千円)
着金時;着金手数料 無料、又は有料(数千円)
金額に拘わらず合計10,000円程度、
少額送金では高すぎる
時間 1週間程度
手続 送金時に海外送金依頼書作成
送金・中継・着金銀行、送金人・受取人等詳細に英語で記入、
中継銀行がどこか、リフティングチャージの有無、料金調査、
着金銀行に着金手数料の有無、料金を自分で調査

これらの問題は、各国銀行間の連携が悪いこと、銀行がそれぞれ料金を徴収すること、都度、国際銀行間通信協会(スイフト)を通過させねばならないこと等によって、生じていました。
また、国内間の外貨送金サービスも、同様な問題を抱えていました。

そこに、新しいITを活用した送金サービスが出てきた訳です。新たな決済網をつくり、ブロックチェーンにより、早い、安い、簡便なサービスが検討されています。ブロックチェーンとは、分散型ネットワークで既存の記録(ブロック)に新しい記録を追加する際に、チェーン状に次々と追加していくことにより、セキュリティを確保し、処理の高速化・効率化・低価格化を図るものです。

未だ、具体的な姿は見えていませんが、近い将来ずっと便利な国際送金、国内外貨送金サービスを受けることができるようになるでしょう。

2017年1月2日 | カテゴリー : 財産管理 | 投稿者 : ファインRアドバイザー

フィンテックFintechとは

フィンテックFintechとは、
金融(Finance)と技術(Technology)を合わせた造語です。
今、先進的な情報通信技術(ICT)を活用することによって、金融取引を「安く、早く、便利」に変えていこうとする動きが活発化しています。

広域な金融分野のサービスは以下の通りです。

分野 サービス 取扱い会社
通貨 ビットコイン等の仮想通貨と暗号化・ブロックチェーン注① bitFlyer Bitbanktrade BTCbox Coincheck Zaif QUOINE Lemuria J-Bits BITPoint
決済1 モバイルPOS決済注② スクエア、楽天スマートペイ等
決済2 ユニバーサルカード注③ カード会社
国際送金 暗号化・ブロックチェーン注① 銀行、国際銀行間通信協会等
会計 クラウド会計、クラウド家計簿 Freee、Monyfoward等
資金調達 クラウドファンディング注④ クラウドバンク、マネオ、SBIソーシャルレンディング、クラウドクレジット、AQUSH
投資 ロボットアドバイザー注⑤ べンチャー、証券、銀行、ネット銀行、ネット証券、カード系会社等
保険 インシュアテック注⑥ 生命保険会社、損害保険会社

注①ブロックチェーン(分散型ネットワークで既存の記録(ブロック)に新しい記録を追加する際に、チェーン状に次々と追加していくこと)により処理の高速化・効率化・低価格化を図るもの
注②モバイルPOS決済(スマートデバイスを利用してクレジットカードでの支払いを受け入れることができるサービス)
注③ユニバーサルカード(複数枚のクレジットカードやキャッシュカードを1枚にまとめることが出来る電子カードの提供、日本では未だ導入されていない)
注④クラウドファンディング(出資又は資金の融通を仲介するサービス)
注⑤ロボットアドバイザー(人工知能AI活用による投資助言サービス)
注⑥インシュアテック(運転技術、生活習慣等の条件の変化に応じた、保険料の細分化・柔軟化)

日本においては、現在、仮想通貨、モバイルPOS決済、クラウド会計、クラウド家計簿、クラウドファンディング、ロボットアドバイザー、インシュアテックが導入されていますが、夫々、内容の充実度、浸透度合いは異なっています。

「安く、早く、便利」なサービスが提供されるのは良いことですが、フィンテックは未だ発展途上でいろいろ課題があります。

しかし、常に進化発展していますので、これらの改良度合い、また、新サービスの導入に応じて、スマートフォンの様にあっという間に広がる可能性もあります。

これからは、フィンテックの進展に注意を払うと共に、言葉に惑わされず中身を十分吟味して利用していくことが必要であると考えます。

 

 

日本の長期金利上昇の兆候に注意(住宅ローン)

2016年の年末に三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行、りそな銀行が10年固定の住宅ローン金利を、2017年1月から0.05%引き上げることを発表しました。また、2017年の年初に住宅金融支援機構がフラット35の適用金利を1月から0.02%引き上げることも発表しました。ここ数年金利低下が続いてきた中で、若干ですが久しぶりに金利が上がることになります。

日銀が、国債等を買入れる方式の量的緩和、マイナス金利導入による質的緩和を押し進める中で、短期金利は誘導できても、民間主導の長期金利は抑えきれず、住宅ローンの長期金利が上がり始めました。

これは、米国の短期金利、および長期金利の上昇の影響があります。米国は今後数度の利上げを行う予定なので、日本の金利もそれに応じて上昇するものと思われますが、一時的にはドル高是正、リスク回避、円高による金利低下があるものの、金利上昇のトレンドが続くのではないかと思います。

日本の量的緩和の規模が限界に近づいてきており、マイナス金利もその深堀りには抵抗があります。強引にマイナス金利を拡大したとしても、従来のように長期金利を低めに維持・誘導できるかどうかはわかりません。

つまり、今後、長期金利は、一時的に低下することはあるものの、上昇していくものと思われますので、住宅ローンで短期金利、10年固定型長期金利選択型を適用している人は、金利動向に注意を払い、長期金利が跳ね上がる前にその切り替えを検討した方が良いのではないかと思います。

 

2017年1月2日 | カテゴリー : 経済, 財産管理 | 投稿者 : ファインRアドバイザー

なぜ円高になるの?その対応は?

日銀の異次元金融緩和、マイナス金利導入にもかかわらず、最近はUDドルは100円近辺を維持していますが、さらに100円を切って90円台になる可能性もあるとの報道がなされています。

日本は、1000兆円を超える政府債務があるにも関わらす、他の債務国のように通貨が安くならないだけでなく、通貨が高く円高になっています。債務のほとんどが銀行等の日本国内の債権者からの債務であること、最近は経常収支が黒字であること、経済的・政治的に安定していること、米国がドル高を警戒していること等によるといわれています。

しかし、現在の日本の成長は微々たるものでGDPはほぼ横這いである、また少子化により経済規模は縮小する可能性がある、経常収支の黒字も原油安が原因でありそれが何年も継続するかどうかわからない、債務=借金を返せる状態ではない(GDPの200%超)等を考えると長期的には円は安くならざるを得ないと考えられます。
また、借金を返すには、インフレにより通貨の価値を減少させ実質的に借金を目減りさせなければならないとするとその面からも円の価値は減少せざるを得ません。(日本の終戦後、戦時の莫大な債務を強烈なインフレで実質的に減少させた過去の事例を忘れてはいけません。)

すると、円高は一時的なものでしかないはずですが、通貨の交換である為替は政治経済的思惑、投機の対象であり、経済の基礎的条件と乖離して動く場合もあるため、これからも円は高下を繰り返すことになるでしょう。

ただ、数十年という期間でとらえると、日本では、ブラジルの様にインフレとなり円の価値が減少していく可能性が高いことを念頭に置いておく必要があります。

そこで、何年もかけて外貨と円とがバランスをとれるように資産構成をしておくことが重要です。仮に50%ずつなら交換価値が変動してもフラットになります。人口が増加する見込みがある、将来の成長が期待できる、資源がある、世界的で最も流通している通貨を持っている、国力、国富がある等を考慮すると外貨はUSドルがお薦めです。
一方、ユーロもUSドルに次ぐ通貨ですが、移民、債務、離脱等によりEUの今後の継続・成行きにも不安があります。リスク分散の効果を狙うのも1つの方法ですが、リスクヘッジできるかどうかはわかりません。

いずれにしても、経済がグローバル化している現在、円という一国の通貨のみで資産を保有することにはリスクがあることを認識しておくことが重要です。